1905(明治38) 年2月13日 Monday


二月十三日 晴

午前は一ツ橋にて課業。十二時半より約束にて安仲の処に行つた。掛け物の売品があるというのでそれを見せて貰ふためであつた。竹堂の田舎家の景色を拾円にて譲受けて持ち帰つた。途中日本橋の丁酉支店に立寄り鬼塚氏を尋ねた処が胃の中に腫物が出来て吐血し危篤の容体、冲も本復は六ケ敷からんとの事で誠に驚いた。後に至り此日に死去した事を聞く。実に人の命ももろいものである。

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例)「1905/02/13 久米桂一郎日記データベース」(東京文化財研究所) https://www.tobunken.go.jp/materials/kume_diary/872636.html(閲覧日 2024-05-03)