1905(明治38) 年2月4日 Saturday


二月四日 晴

一ツ橋より直ちに新橋に行き壺屋で食事をなし、佐野を待受け十一時半の汽車に乗込む。竹沢の出発を見送るためである。船宿上州屋にて同氏に逢ひ本船サイベリア号まで一同と出掛る。中々立派な船である。此船にはセバストポリの船長其他旅順の落武者が大分乗つて居る。一寸面白い連れである。喫煙室でビールの御馳走になり二時過に別れた。帰りは海野と一緒になり三時四十五分の発車に乗る。新橋で橋善に入り三人夜食して後分れた。夜十時頃に小泉大人来訪一時半まで差向ひで過した。

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例)「1905/02/04 久米桂一郎日記データベース」(東京文化財研究所) https://www.tobunken.go.jp/materials/kume_diary/872591.html(閲覧日 2024-05-03)