1904(明治37) 年10月2日 Sunday


十月二日 曇

朝九時頃よりこまの請求に依り三井の売出しを見に行つた。日曜の事で大混雑全く魚市場同前の乱状を呈して居る。斯る場合に踏込んだのは始めての事だが存外面白もんだ。婦人の大騒きやるのは全く無理でない。秩父縞を一反三円二十五銭で求めた。こまは七円近くの買物をなし大満足、帰りは橋善にて昼食をなす。今日のフリチューんは左程でなかつたが量の多いので持つて来る。例の通り電車で大門から歩して一時過帰宅す。午後は自転車掃除。三時頃高島大人来訪、昨夜の違約を謝し今日六時より愈従軍の途に上る由にて門口にて別を告げた。

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例)「1904/10/02 久米桂一郎日記データベース」(東京文化財研究所) https://www.tobunken.go.jp/materials/kume_diary/872001.html(閲覧日 2025-04-28)