1905(明治38) 年3月28日 Tuesday


三月廿八日 晴

朝九時より自転車で目黒に出掛けたるに白金にて父上に行逢ひ永田町に行つて直に帰るから待つて居れとの事。今日は一日暇であるからゆるりと構へる。十一時半頃父上帰宅せらる。すみは今日学校で免状が渡つたというので大喜びで昼頃に帰つて来た。それで来月よりは白金小学校に転学する都合になり寄留換の甲斐もある訳である。昼飯はよねが手練の西洋料理である。父上は例の時局談で持切りであつた。四時になり辞し麦酒会社道から広尾に出て帰つた。今朝彬に所得税を区役所に持たせてやつたところ領収証を取つて来ないので大にまごついたが無事であつた。

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例)「1905/03/28 久米桂一郎日記データベース」(東京文化財研究所) https://www.tobunken.go.jp/materials/kume_diary/872766.html(閲覧日 2025-04-29)