1886(明治19) 年7月30日 Friday


七月三十日 快晴

午前五時半船新嘉坡ヲ解纜 海峡ヲ出ツレバ数十ノ小島旭日ニ隠見シ風光甚タ奇ナリ 数時ノ間島嶼断続ス 此日終日東北方ニ陸地ヲ見ル即チ満刺加ノ海峡ナリ 此日風無ク暑気ヲ覚フ

引用の際は、クレジットを明記ください。
例)「1886/07/30 久米桂一郎日記データベース」(東京文化財研究所) https://www.tobunken.go.jp/materials/kume_diary/869056.html(閲覧日 2024-05-19)

同日の「黒田清輝日記」より
 七月三十日附 ブリュッセル発信 母宛 封書
 六月三日おだしのおてがみたしかにあいとゞきありがたくさつそくはいけんいたしましたら父上様 あなたさま御はじめみなみなさま御そろひますますごきげんよくいらせられ候よしまことにまことにおんめでたくぞんじあげまいらせ候 つぎにわたくしこといつもかわらずげんきなことにてさる二十八日まつがたさんがぱりすにちよつときておかへりなさるをさいわい一しよにべるじつくといふくににいきました このべるじつくではやつぱりふらんすのことばをつかいますからすこしもふじゆうはございません またわたしなどのおるべるじつくのみやこぶりゆくせると申ところはたいへんきれいなところにてちいさなぱりすとでももうすようなところです につぽんじんのしよせいがしごにんおります わたしは一月ばかりおるつもりです いろいろめづらしいことがございますからこのつぎのびんにくわしく めで度かしこ
 母上様 ぶじ  新太拝
 せつかくごようじんごようじん みなさんによろしく なつやすみにたびをするのはことしがはじめてです
七月三十日附 ブリュッセル発信 母宛 封書