紙の保存国際研修2025スタディーツアー

東京文化財研究所では、8月25日から9月12日にかけて、ICCROMと共催して国際研修「紙の保存と修復」を開催しました。
9月1日から5日までスタディーツアーとして、美濃、名古屋、京都を訪れ、実際の現場にて保存修復の知識を深めました。美濃市では、美濃和紙の里会館、本美濃紙の工房、美濃史料館を訪問し、実際に紙すきも体験しました。名古屋市では、名古屋城の本丸御殿(復元)において、紙文化財である襖絵などが、どのような環境で使用されていたかを、肌で感じることができました。京都市では、保存修復に携わる伝統的な工房や、道具店を訪れました。
修復などで使用する素材の作り手や、背景を知ることは、参加者にとって重要な体験であると同時に、作り手自身にとっても貴重な機会です。こうした伝統的な工房を維持することは容易ではありません。
それでも、その製品が文化財の修復に不可欠であり、世界中の人々が製品を待ち望んでいることを知ることは、職人の方々にとっても、作り続けていく力となるのではと考えております。



トップ画像:本美濃紙の工房にて紙すき体験の様子
ミドル画像:見学の様子(左:名古屋城本丸御殿(復元)、右:京都市内の鍛冶工房)
ボトム画像:美濃史料館前(美濃市)での集合写真
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