文化遺産に対するAR・VRの活用に関するスタディー・ツアーと3Dワークショップの閉講

3Dデジタル・ドキュメンテーションの技術的なワークショップを終えた一同は、10月26~30日の5日間、3Dデジタルコンテンツ(主にARやVR)の具体的な活用事例を見学するためのスタディー・ツアーに出掛けました。主な見学先は、広島平和記念公園のPeace Park Tour VR、3Dデータから文化財のレプリカの作成を行う大塚オーミ陶業、福井県の一乗谷朝倉氏遺跡です。 

Peace Park Tour VRは、広島の原爆被害をボランティアの方の案内のもと平和記念公園を巡りながら再現映像で追体験するツアーです。VR技術を取り入れ、実際の現場に立つ臨場感を体感しながら文化遺産教育や平和教育を実現しています。 
文化財のレプリカの作成を行う大塚オーミ陶業は、高精細の3Dデータを使用し保管環境や状況に左右されず文化財に触れ合える環境を提供しています。当日はショールームの見学に加え、実際の製作場面を見学し意見交換を行いました。 
一乗谷朝倉氏遺跡では、屋内外の遺構露出展示の解説に積極的にAR・VR技術を導入しており、史跡に関するより詳しい情報をインタラクティブに伝える工夫がなされています。 

スタディツアーの様子

研修生は各地で文化遺産の展示や保存、観光にデジタルコンテンツを導入するメリットとデメリットを吸収し、それぞれの国で応用できる場面を想定していました。 

スタディー・ツアーの最終日には東京国立博物館を訪れました。展示見学の導入として開発されたデジタル日本美術年表や、屏風などの高精細復元の製作、さらにそれらを用いた教育的プログラムの実施について紹介を受け、意見交換を行いました。 

最後に修了証授与式を行い、ワークショップとスタディー・ツアーの全日程を終了しました。 

トップ画像:(上左・上右)Peace Park Tour VRを体験する様子 
ミドル画像:(上)大塚オーミ陶業のショールームを見学する様子
(下左・下中)一乗谷朝倉氏遺跡のARコンテンツの体験
(下右)東京国立博物館のデジタル日本美術年表の体験 
ボトム画像:修了証授与式