国際研修「紙の保存と修復」2025の閉講

国際研修「紙の保存と修復」が、9月12日に修了し、閉講式が行われました。この研修は、東京文化財研究所とICCROMが1992年より共催する研修の中でも、最も歴史があるものです。
世界各地から招聘された10名の紙の修復専門家は、日本の工芸技術の保護制度、掛軸や屏風の構造や、その取扱方について知識を深めるとともに、日本の選定保存技術である「装潢修理技術」を、巻子の作製体験を通して学びました。さらに、修復にとって欠かせない刷毛について、日本でも数少なくなった刷毛師による実演を交えて学び、積極的な質疑が交わされ、貴重な機会となりました。
帰国を前に、閉講式に並んだ10名の専門家の姿はとても頼もしく、それぞれの地で文化財の命を長らえる、希望の存在に見えました。

トップ画像:国際研修「紙の保存と修復」閉講式
ボトム画像:刷毛に関する実演・講義にて学ぶ様子

