紙の保存国際研修2023スタディツアー
東京文化財研究所ではICCROMとの共催により、8月28日(月)より3週間にわたって国際研修「紙の保存と修復」を開催しています。その第2週目となる9月4日(月)~8日(金)には、スタディツアーとして美濃市、名古屋市、京都市を訪問しました。本ツアーは、第1週目の実習や講義で親しんだ和紙や道具の製造や歴史について学ぶことを目的としました。
国指定重要無形文化財でユネスコ無形文化遺産にも登録されている「本美濃紙」の産地である美濃市では、和紙の手漉き技術を体験・見学しました。また、和紙が水運によって全国へと流通していった経緯を、国の伝統的建造物群保存地区に選定されている美濃市美濃町を歩きながら学びました。名古屋では復元された名古屋城本丸御殿において、襖や屏風などの和紙を用いた文化財が日本の建造物の中でどのように使われていたかを見学しました。ツアー後半は京都へ移動して、選定保存修理技術「装潢修理技術」とそれを取り巻く環境について学ぶため、修復工房や道具店等を訪れました。和紙や糊、打刃物、刷毛といった道具材料について、技術者、製作者、問屋のそれぞれからお話を伺いました。
途中悪天候にも見舞われましたが、無事にツアーを終えることができました。研修最後の1週間は、再び東京文化財研究所にて和紙に関する講義と実習を行っています。
トップ画像:美濃竹紙工房(美濃市)での実習 ボトム画像:岡墨光堂(京都市)前での集合写真