世界遺産に限らず、文化遺産をめぐる国際的な状況は、常に揺れ動いています。特に世界遺産においては、遺産影響評価など、新たな取り組みを要請される事例も多く、関係者は常に手探りの状況で対応しているのが実情です。また、我が国における文化財制度についても近年様々な動きがあり、そうした中で今後のあり方を探っていくためには諸外国の動向を知ることが欠かせません。

このため当センターでは、国際情報研究室を中心に、文化遺産の保護制度や施策の国際動向及び国際協力等の情報を収集・分析し、国内に還元するとともに、国際共同研究などを通じて我が国の文化遺産保護に関わる国際協力事業などに必要な研究基盤整備を行っています。また、研究機関の間の連携強化、共同研究や研究者間の情報交換の活発化を図り、継続的な国際協力を実現するために様々な活動を行っています。

世界遺産委員会をはじめとする様々な国際会議やシンポジウム等に出席し、文化遺産保護に関する情報を収集しています。ここで得られた情報・知見は、世界遺産研究協議会の開催をはじめとした様々な機会を捉え、自治体や文化遺産保護に関わる関係者等に対して周知を図っています。

また、長年継続して各国の文化遺産保護関連の法令を収集・分析するとともに、日本語への翻訳を行って広く活用できるようにしています。これまで、20を超える国の関係法令の翻訳を行っています。

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東京文化財研究所運営費交付金事業:文化財保護に関する国際情報の収集・研究・発信