前言

 東京文化財研究所では、より質の高い資料の提示が求められる昨今の時勢に対応し、また研究の営為自体が文化財の価値形成に深く関与することに鑑み、美術資料のあるべき姿を模索してまいりました。文化財の史的研究には、作品自体についての様式的研究と、その作品にまつわる文献的研究とが車の両輪のように不可欠です。作品に書き込まれている銘記類は、制作年代の決定などを支える基礎となるだけではなく、銘記類のない多くの作品の研究に対しても重要な指標となるものです。

 そこで当所では、主に絵画の賛文・奥書・銘記等の年紀資料を集成した『日本絵画史年紀資料集成 十―十四世紀』(1979年)、『日本絵画史年紀資料集成 十五世紀』(2011年)を刊行してまいりました。本データベースは、上記2冊に採録された年紀資料にもとづきつつ、さらに資料の収集をすすめたうえで、作品名・所蔵者名・銘文などの各項目内容から検索ができるように整えたものです。

 今後も、順次、内容を充実させていく予定です。

担当者一覧

2006~2010年
『日本絵画史年紀資料集成 十五世紀』編集・データ収集および入力  綿田稔・阿部朋絵・梅田真代・大月千冬

2014年~
サイト作成統括 皿井舞
データ入力(10-14世紀絵画ほか) 樋口美咲
サイト作成 小山田智寛

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