美術界彙報

  • やまと新聞
  • 1905(明治38)/09/29
  • 1
  • 雑報

△白馬会展覧会 白馬会創立二十年紀念油絵展覧会は去る二十三日より上野 五号館南部に於て開会せり同会が表掛りの入口より内部の 陳列装飾に頗る意匠を凝らしたるは非常の見栄へあり今回は本会創 立二十年紀を表する為め別に二十年前の大作を蒐集して縦覧 に供することとし新作出品も中々多く会員中旧作もあれど兎 に角一人にて二三十点づゝの出品ありて合計四百余点の多数となれり尤も今回は特別室を設け得る程の裸体画はなくも二三半裸体画 は陳列しあり新作中重なるものは林忠正氏出品にて有名の仏国画家ラフエルラン氏筆洋美人の大樹の下に直立せる図、和田英作の衣 通姫、小林萬吾の静御前、赤松麟作の牛耕作、和田三造 の農馬数頭を使役する農家男女、小林千古の寺院装飾画中道、裸体美人、黒田清輝のモデル人物手と手、燈下の子供、安藤仲 太郎の果物其他数十点なり

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