よみうり抄

  • 読売新聞
  • 1902(明治35)/09/23
  • 2
  • 雑報

◎白馬会展覧会 開場と共に作品の悉く出揃ひたるハ会員が勉強の程も知られて喜ばし。細評ハ不日掲ぐる所あらんが先づ岡田三郎助氏が留学中の作品を初めとして三宅克己氏が得意の水彩画、中丸精十郎氏がモザイク、山本芳翠氏が伊藤侯、藤島武二氏が天平の面影、磯野吉雄氏が李鴻章と佐藤博士、小林萬吾氏が救難、さてハ黒田清輝、安藤仲太郎、長原考太郎諸氏が新作品ハいふまでもなく、仏国外光派の泰斗ラフハエル、コラン氏の名画まで場内狭しと掲げたる、此等の中にハ無論来春の博覧会に出品さるべきものもあるべく、千紫萬紅東台の山ハ早くも蜀紅の錦を織成せり

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