黄菊白菊

  • 毎日新聞
  • 1900(明治33)/10/26
  • 1
  • 雑報

今度巴里より上野の白馬会へ新着の出品中コラン氏の作は三枚 ともオペラの壁画天井画等の下絵だが何れもすらすらと描いてあつて而かも筆々活動 の妙あり今にも舞ひ出づへく弾じ出づべく見ゆるのは流石々々黒田清輝 氏は香港あたりで画いたらしき港内の小景、最も奮発して多数を送 つて来たは東京美術学校の洋画科より第一に洋行した岡田三郎氏で 殆ど廿枚計りあるが其中パステル画も三四枚ありて何れも留学中の勉強と進歩とを見るに足るの作である和田英作氏も伯林と巴里とでの近作を五六 枚を出したが独逸グルウネワルドの夕陽など中々面白い小代為重氏のはスエズ掘割入口 の小景◎此外板物の看板画五六枚は特殊の趣味を感 ずると共に研究に資する所が多い

前の記事
次の記事
to page top