美術界

  • 中央新聞
  • 1911(明治44)/03/12
  • 1
  • 雑報

△白馬会解散す 黒田清輝氏の牛耳を取れる白馬会は世の大勢に鑑みる 所ありと称して八日の夜終に解散を発表した、同会は今から十数年前故帝室技芸員山名貫義氏の葬儀に会して洋画家が小石川の居酒屋で濁酒を飲みながら相談して興したので、爾来新派として勢力を振つたものだが、近来一雨毎に種々の小画団が起つて、折角順境に向つた洋画の歩調を乱す傾きを認めたから此英断に出たとあ る、勿論太平洋画会へも解散の同意を促し、英雄割拠の日本画 の覆轍を踏むまいと交渉してみたが太平洋画会は之に応じなかつ たのだ由だ

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