白馬会画会

  • 丹青子
  • 国民新聞
  • 1910(明治43)/05/12
  • 6
  • 展評

五月十日より開会の筈なりし所会場の整理間に合はぬ爲め十日は特別招待券所持者に限り一般観覧者には十一日より公開すと云ふ。出品数は非常に多く十日はまだ陳列も終らず槌の音盛に響きゐたり。参考品としてはコラン筆木版画六枚、筆者不明欧洲貴顕肖像油画二枚、フオンタネヂイ筆「女神」、コルモン画稿、ラツフレ筆彩色エツチング、シヤバンヌの壁画の一部(藤島武二模写)、ヴエラスケースの「糸操」外二点(湯浅一郎模写)、故山本芳翠筆油絵、其他黒田清輝の「花野」等、湯浅、藤島両氏滞欧紀念スケツチ五十点、其他は例の如し。まだ番号のみにて画題も筆者も不明の物多し。会員の作品に対しては近日改めて批評すべし。十二日にならば目録も出来上るべしと云ふ。尚今月下旬は太平洋画会も開催せらるべく新緑と共に上野の森は美術界大に賑ふべし (丹青子)

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