よみうり抄

  • 読売新聞
  • 1898(明治31)/10/09
  • 4
  • 雑報

◎一昨々日より開会の油画白馬会ハ今日迄出品済の中にて 看者の注意と惹けるハ広瀬勝平氏の海岸、和田英作氏の富岳、 機織、湯浅一郎氏の松林、船、藤島武二氏の秋の海岸、山本 森之助氏の林間の草花、松林、長原孝太郎氏の百合、久 米桂一郎氏の残燻、安藤仲太郎氏の夏木立、五月雨、中村勝 次郎氏の団欒、北連蔵氏の葬ひ、冬枯、白瀧幾之助氏の樵夫、黒田清輝氏の寂寥、小督の昔語、美人干物の図 、小林萬吾氏の馬士、菜畑等にて未だ陳列せざる中に大作あ る由此外仏人ラフフエルコランの婦人、白耳義人ウヰツマン夫妻の秋の並木、夏の月夜、及び草花、米人マリカセツト女子の乳母、同グリフヰンの 杉氏肖像など珍らしく前回に比して優に数等の進歩をなせるが如 きハ斯界の此上なき慶事なりかし

前の記事
次の記事
to page top