寺尾壽博士像(Portrait of Dr. Terao)
1909 / カンヴァス・油彩(Oil on canvas) / 70.5 x 55.0 cm
作品コード:KU-a123 図録番号:図録113

寺尾壽(1855-1923)は福岡藩に生まれ、東京外国語学校、開成学校を経て明治11年に東京大学理学部物理学科を卒業。同12年からパリ大学に留学し天体学を学んで同16年に帰国。翌年から東京大学で天体力学、天文学を講じ、同21年東京天文台が設置されるとその初代台長となるなど、日本の天文学の礎を築いた。この作品の制作経緯について黒田は、博士の在職25年を祝し、大学関係者や有志の依頼により博士に贈るために描くこととなったが、少年時代に同博士にフランス語を習ったので、この制作は「大に幸福に感じ(略)、大に博士の性格を表はさうと思つて画いた、勿論写真からでなく、博士に座つてもらつて画いた」(「作者の談-第三回文展-」『美術新報』明治42年11月)と述べている。堅実な学者らしい風貌と画家が像主によせる親愛の情が画面に表されている。(E.Y)