【前言】
森岡柳蔵(1878~1961)は、黒田清輝に師事した鳥取県出身の洋画家です。令和5(2023)年11月、森岡柳蔵のご遺族より、山梨絵美子氏(千葉市美術館館長)を介して、彼が1922年から3年間にわたるフランス留学中及び帰路に経由したアメリカで収集した西洋絵画の複製図版85点をご寄贈頂きました。当時、複製図版は国内の画家たちにとって西洋絵画の貴重な情報源であり、多くの図版の裏面に所蔵印が捺されていることから、画友に貸し出す際に紛失を避け、大切に保管されてきたことがわかります。また85点の図版のうち70点は写真工房の草分けとして1852年にフィレンツェで誕生したFratelli Alinari社の製品であり、美術写真の歴史をたどる上でも貴重な資料と言えます。本データベースでは、この度の受贈を機に、全85点の画像をデジタル化し、当研究所ホームページで公開いたします。