文化遺産保護と3次元計測
エントランスロビーパネル展示 : 2024年5月27日~

 近年、文化遺産の世界では、デジタル・カメラやLiDARスキャナなどを用いた3次元計測が急速に普及しています。
 これらの技術の導入によって、作業時間が大幅に短縮されただけではなく、これまでと比べようのない高精度で文化遺産のドキュメンテーションが可能になってきています。
 パリにあるノートルダム大聖堂が、2024年12月に再公開されることが決まりました。ノートルダム大聖堂では2019年に火災が起こり、屋根や塔が焼け落ちるなど大きな被害が生じました。フランス政府は、パリの象徴である大聖堂の修復を急ピッチで進め、わずか5年半で作業を終えようとしています。
 これを可能にしたのが、3次元計測です。火災が起こる前に大聖堂の3次元計測をしていたため、この既存の3次元モデルが、修復をすすめるうえで非常に役にたったと報道されています。このように3次元計測は、災害時の備えとしても非常に有用です。
 本展示では、東京文化財研究所が文化遺産保護のために作成してきた3次元モデルを御覧いただきます。各パネルの二次元コードを読み込んでいただければ、Sketchfab上に公開している3次元モデルにアクセスできます。ぜひお楽しみください。

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