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「東京文化財研究所美術文献目録」
OCLCへの提供のお知らせ

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「東京文化財研究所美術文献目録」のOCLCへの提供のお知らせ
 東京文化財研究所では昭和5年(1930)の設立以来、美術に関する文献・資料の収集と活用に努め、各種のデータベースをホームページで公開してきました。平成28年(2016)6月より、東京文化財研究所は国立西洋美術館と共同で「美術工芸品を中心とする文化財情報の国内外への発信にかかる基盤形成事業」を実施し、東京文化財研究所が公開している文化財に関する情報の国際発信を、国立西洋美術館がもつ情報発信の手法と経験を活用して、強化していくことを目指してきました。国際的な図書館サービスであるOCLCを通じて広く情報発信を行うため、日本での代理店を務める株式会社紀伊國屋書店OCLCセンターとも協議を重ねながら事業を推進し、このたび平成30年(2018)1月に、OCLCの「セントラル・インデックス(Central Index)」に、展覧会カタログに掲載されている記事・論文等のデータ約5万件を「東京文化財研究所美術文献目録(Tokyo National Research Institute for Cultural Properties, Art Bibliography in Japan)」として提供しました。これに よって、世界最大の共同書誌目録データベースであるWorldCat.org (https://www.worldcat.org/)やアート・ディスカバリー・グループ・カタログ(Art Discovery Group Catalogue)(https://artdiscovery.net/)などの検索サービスにおいて、美術に関する作家・作品など各種キーワードを入力すると、「東京文化財研究所美術文献目録」も検索対象となり、展覧会カタログ掲載論文に関する書誌データが検索結果として表示されるようになりました。
 (例 : 隈元謙次郎「黒田清輝の人と作品」『黒田清輝展 : 生誕百年記念』所載、1965、
http://www.worldcat.org/oclc/7065763414
 書籍や雑誌として刊行されているものは、一般的な検索エンジンや図書館等のデータベースでも検索することができますが、美術館や博物館の展覧会カタログに収録されている記事・論文は、専門性が極めて高いものの、その存在が広く知られる機会は限られていました。今回提供した情報は、東京文化財研究所が昭和11年(1936)から継続してきた『日本美術年鑑』編纂事業等を通して、全国の美術館・博物館から寄贈された展覧会カタログ所載記事・論文のデータを再利用したものです。検索結果からそのままオンラインで全文にアクセスできるような機能はなく、今後の課題はありますが、世界中のインターネット・ユーザーに対して、資料発見の未知の可能性を拡大した意義は大きいと考えられます。今回提供した情報は昭和5年から平成25年(2013)までのものですが、今後も継続的に新たな情報を追加し、また個々のデータ内容の充実を図るなど、さらなる情報発信強化を行ってまいりたいと思います。

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