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シンポジウム「黒田清輝、その研究と評価の現在——没後100年を機に」

“日本近代洋画の父”と称される洋画家の黒田清輝(1866~1924)が没して、本年は100年という節目の年となります。これを記念し、鹿児島市立美術館で回顧展、東京国立博物館で特集展示が催されますが、黒田がその創設に大きく与った東京文化財研究所では、「黒田清輝、その研究と評価の現在」と題してシンポジウムを開催いたします。

黒田清輝は、多くの日本人にとって馴染みの深い画家のひとりでしょう。中学や高校で使う歴史の教科書には、必ずと言ってよいほど《湖畔》が掲載され、黒田が明るい色彩による画風で好評を博し、後進の画家に大きな影響を与えたことが記されています。

その一方で、黒田が西洋美術のアカデミズムを日本へもたらそうと努めたことも、美術史研究者にはよく知られています。東京美術学校西洋画科で教鞭を執った黒田は、人物画を美術の基本に据え、人体デッサンを日本の美術教育に根付かせました。自らも群像によるコンポジションを試みた《昔語り》や、裸体画に抽象的な意味あいをこめた《智・感・情》を制作しています。

このように功績が多岐にわたる黒田清輝をめぐっては、様々な側面から注目されてきましたが、その評価もまた多面的です。黒田清輝は日本の美術に一体何をもたらしたのか?——本シンポジウムでは、これまでの黒田をめぐる語りを俯瞰した上で、最新の研究成果をふまえながら、あらためてその日本の美術史における位置を問う場としたいと思います。

開催日時 2025年1月10日(金) 13:00~17:10
会場 黒田記念館セミナー室 オンライン併用(zoom使用)
黒田記念館の場所については、下記のURLをご参照ください。
https://maps.app.goo.gl/nwFbF87okMG93TF27
開催方式 対面(定員30名)/オンライン(zoom使用)のハイブリッド開催(いずれも事前申込制、参加費無料)
*このサイトの下にあるフォームからお申し込みください。
主催 東京文化財研究所

プログラム

12:30~ 開場
13:00~13:10 開会挨拶 齊藤孝正(東京文化財研究所長)
13:10~13:50 基調講演 黒田清輝の画業について——神津港人の視点から
塩谷純(東京文化財研究所上席研究員)
13:50~14:30 発表1 黒田清輝とラファエル・コラン——いくつかの視点をめぐって
三谷理華氏(女子美術大学教授)
14:30~14:40 休憩
14:40~15:20 発表2 黒田清輝以降——昭和期における「官展アカデミズム」の諸相
高山百合氏(福岡県立美術館学芸課副長)
15:20~16:00 発表3 黒田清輝からの学びと地方への伝播——鳥取県出身者の場合
友岡真秀氏(鳥取県立博物館主任学芸員)
16:00~16:10 休憩
16:10~17:00 ディスカッション
17:00~17:10 閉会挨拶 江村知子(東京文化財研究所文化財情報資料部長)
※各発表の要旨についてはこちらをご参照ください。

参加申込フォーム

【お申し込み・お問い合わせ】

塩谷 純・吉田 暁子

E-Mail: kjkenkyukai_tobunken@nich.go.jp
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