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文化財修復処置に関するワークショップ
- モジュラー・クリーニング・プログラムの利用について -

主催: 独立行政法人国立美術館 国立アートリサーチセンター/独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 保存科学研究センター

  • 開催日:令和5年10月25日(水)〜 27日(金)
    (クリーニング溶液の準備日10月24日(火)は、午後参加者のうち希望者は参加可能)
  • 会 場:東京文化財研究所 地下会議室
  • 定 員:全日参加 定員20名 (希望者多数の場合は、定員を午前の講義は80名、午後の実 技は20名とし、応募書類をもとに選考を行う。)
  • 参加費:無料

開催趣旨

 文化財の保存修復技術は、従来の伝統に新たな科学技術を適用し処置の精度を益々高めています。とりわけ近現代の文化財を構成する物質は不安定で、伝統的な修復材料・方法を使用できない場合が見られ、このように新しいアプローチの研究は、必要不可欠になりつつあります。
 クリーニング処置では、作品にとって安全でかつ除去したい物質のみに働きかけるクリーニング溶液を対象に応じて調整しますが、その種類には単純に水溶液と有機溶媒があるだけでなく、ゲルやエマルションの形状、補助剤として界面活性剤やキレート剤等の添加など、材料と方法の選択肢が豊富に存在します。講師のクリス・スタヴロウディス氏は、これらの配合と計算をコンピューターでプログラム化したモジュラー・クリーニング・プログラムModular Cleaning Programを開発し、保存修復専門家コンサヴァターがクリーニングの材料と方法を検討する上で大変有効なツールとなっています。
 スタヴロウディス氏はアメリカ在住の保存修復専門家コンサヴァターで、これまでゲティ保存研究所やリチャード・ウォルバース氏と研究を進め、世界各地でワークショップを開催されてきました。この度、初めて日本にスタヴロウディス氏を講師として迎え、基礎的なクリーニングの理論およびモジュラー・クリーニング・プログラムに関する講義と実践的な内容とを連携させた3日間のワークショップを開催いたします。事前にPDFでダウンロード可能な一連の参考文献(英文)と、基本的な作業手順を説明する動画サイトをご紹介し、予習を通して、ワークショップの内容理解をさらに深めて頂ける構成となっています。

プログラム
10/25(水) 10:00 – 12:00 理論 水溶液を用いたモジュラー・クリーニング・プログラム(基礎・発展)
クリーニング材料の拭き取りに関する問題
13:00 – 17:00 実技 実験用具・材料の安全な取り扱いについて
試験水溶液の調製
10/26(木) 9:30 – 12:00 理論 溶媒とモジュラー・クリーニング・プログラム
溶媒型ゲル(solvent gel)、シリコーン系溶媒
13:00 – 17:00 実技 彩色表面のpHおよび導電率の測定
クリーニング・テスト
10/27(金) 9:30 – 12:00 理論 エマルション、マイクロエマルション
アクリル画のクリーニング
13:00 – 16:30 実技 クリーニング・テスト
(講義は英語で行い、日本語への逐語通訳をいたします。)

7月31日(月)までに所定の申込書を用いてお申し込みください。
申込書のダウンロードはこちら
応募者多数の場合、申込書の内容をもとに選考し、参加の可否を8月25日(金)までにお知らせいたします。

【お申し込み・お問い合わせ】
※申し込み先は、東京文化財研究所ではありませんのでご注意ください。
国立アートリサーチセンター
作品活用促進グループ(担当:鳥海)
住所:〒102-0073 東京都千代田区九段北1-13-12 北の丸スクエア2階
電話:03-6910-0499 FAX 03-6910-0756
E-Mail:collections@artmuseums.go.jp
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