所長挨拶

 平成28年度は、文化財機構の第4次5ヵ年中期計画(平成28〜32年度)の初年度にあたります。今期の中期計画では、引き続き有形・無形の文化財等を対象に、基礎的なものから先端的、実践的なものまで総合的に調査研究を行い、我が国における文化財研究の拠点として内外からの期待に応えるべく活動するという目標を掲げています。

 そのため、当研究所では当該研究部局の所掌事務を拡大整備し、部・センターや担当研究室の一部で名称を改めました。すなわち、企画情報部を文化財情報資料部と改め、これまでの研究業務に加えて文化財情報の発信と文化財情報に関する調査研究を行うこととしました。また、保存修復科学センターを保存科学研究センターと改め、文化財の保存修復に関する科学的な調査研究を行うとともに、国立文化財機構における保存修復業務に関する一体的な取り組みを推進することを明確に打ち出しました。そして、無形文化遺産部では、従来の伝統的な音楽や演劇、工芸技術といった無形文化財や民俗芸能、風俗・慣習等に加え、地域の生産技術である民俗技術などの無形民俗文化財の調査研究のほか、今年度から文化財の保存に必要な用具や資材確保のための生産技術等についても調査研究を進めることにしています。さらに文化遺産国際協力センターでは、アジア諸国を中心に文化財専門家養成や保存修復技術の移転等相手国の要請に基づいて文化財保護に資する共同研究・研修事業を行うなど文化力による国際貢献に力を注いでいきます。

 さて、東日本大震災から早くも5年が経ちました。当研究所は、震災直後から他機関と連携して津波や建物損壊等で被災した文化財等の救援事業を精力的に行い、研究面では水損紙資料等の文化財の保存処置、放射線を浴びた文化財の保存対策等に関する研究も行ってまいりました。今後は被災文化財の救援に関する技術や知識などのこれまでの活動について総括するとともに、予防や減災の観点も視野に入れた文化財の保存方法に関する研究も進めていきます。

 ところで、国際的な文化遺産保護支援に関する活動を行うにあたっては、国内の関係機関や関連分野の専門家との連携協力体制を充実・発展させることが肝要です。その意味で、文化庁の委託事業で事務局を置く「文化遺産国際協力コンソーシアム」の存在は大きく、その活動がさらに広まることが望まれており、当研究所も運営等に積極的に関わって行きたいと考えています。

 今後とも、より効率的かつ効果的な運営を心がけながら、当研究所が文化財保護に関する総合的な調査研究の拠点施設としてさらに発展するよう努力してまいりますので、皆様の御理解と御支援、御協力をお願い致します。

東京文化財研究所 所長
亀井 伸雄


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