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特集展示 黒田清輝の素描作品

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  後期 2007年1月11日(木)~3月31日(土)
毎週 木・土曜日 13:00~16:00 公開(入場無料)
 
     



椅子による女 (1889年)
 東京文化財研究所では、現在、黒田清輝の素描作品288点を所蔵しています。そのうち、170点が木炭紙全紙に描かれた木炭素描です。フランス留学中に西洋画を学びはじめた初期の作品から、晩年にいたるまでの作品がふくまれています。とくに、全紙大の木炭紙に描かれた120点以上におよぶ人体素描からは、西洋画習得にひたむきに取りくんでいた黒田の姿勢がうかがわれます。同時に、それらは19世紀末のフランスにおけるアカデミックな絵画学習の正則な記録ともいえます。また、留学中に制作された「夏図」画稿、帰国後初めての大作となった「昔語り」のための画稿のように油彩画の下絵として描かれた作品もあり、黒田の創作活動をたどるうえで、貴重な資料としてみることができます。ただし、こうした素描作品のなかには、たとえば「椅子による女」、「婦人肖像」などのように、油彩画にもおとらない完成度をしめし、おだやかな光の明暗の諧調をたたえた秀作もふくまれています。
  これまで、これらの素描作品の一部は、当記念館及び、毎年一度、地方の美術館との共催展等で公開してまいりましたが、今回、2階展示室の一部を使って、「特集展示」として選りすぐった作品を公開いたします。この特集展示によって、黒田清輝の素描の魅力をご鑑賞ください。


雪景 (1890年)


夏図画稿(女の顔)1892年


夏図画稿(女の顔)1892年
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