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被災文化財レスキュー事業 実施状況

被災文化財レスキュー事業 実施状況(1)
石巻文化センター(宮城県石巻市)
4月20日から石巻文化センターの救援活動が開始されました。同センターは毛利コレクションをはじめ、絵画・彫刻・民具・考古資料など10万点以上の収蔵品を有する施設です。地上2階建ての建物ですが、1階部分は津波で大きな被害を受け、展示室や収蔵庫は甚大な被害を受けました。国立文化財機構、人間文化研究機構、全国美術館会議など被災文化財レスキュー事業に参画している団体は、宮城県および石巻市の教育委員会や資料ネットワークなどと協力して、同センター所蔵資料のレスキュー作業を連日実施しています。

石巻文化センター 入口付近の状況
(2011年4月20日)

石巻文化センター 収蔵庫付近の状況
(2011年4月20日)

被災文化財レスキュー事業 実施状況(2)
慶長使節船ミュージアム(サンファン館)(宮城県石巻市)
津波による大きな被害を受けた石巻文化センターの収蔵資料の一部(主として民俗資料)は、石巻市内にある慶長使節船ミュージアム(サンファン館)に移送して洗浄・乾燥作業を行っています。人間文化研究機構(国立民族学博物館チーム)を中心に、国立文化財機構、現地教育委員会、資料ネットワークなどが協力して、連日作業を実施しています。洗浄・乾燥作業が終了した資料は、石巻文化センターへ返送し、保管する予定です。

慶長使節船ミュージアム(サンファン館)での洗浄作業
(2011年5月19日)

慶長使節船ミュージアム(サンファン館)に保管されている
民俗資料の一部 (2011年6月3日)

被災文化財レスキュー事業 実施状況(3)
熊野那智神社(宮城県名取市)
名取熊野三山の一つである熊野那智神社には、多数の懸仏・銅鏡が所蔵されています。これらの資料の多くは、国指定重要文化財、県指定有形文化財に指定されていますが、今回の震災で散乱・破損し、レスキューが必要となりました。名取市、宮城県教育委員会、東北歴史博物館、国立文化財機構などが協力して作業にあたり、被害状況を確認しながら資料の梱包を行って、一時避難のため東北歴史博物館に移送しました。

熊野那智神社での懸仏等レスキューの様子
(2011年6月1日))

熊野那智神社 梱包が終了した懸仏等資料
(2011年6月1日)

被災文化財レスキュー事業 実施状況(4)
岩井崎プロムナードセンター(宮城県石気仙沼市)
気仙沼市岩井崎にある岩井崎プロムナードセンターは、海岸近くに建つ施設であり、津波による甚大な被害を受けました。建物も大きく壊れ、収蔵・展示品も激しく散乱・破損しました。国立文化財機構では、現地の教育委員会、資料ネットワークなどと協力して資料レスキューを行いました。レスキューされた資料は、漁業関連資料、民俗資料、化石資料などに分別され、それぞれの一時保管先に移送されて洗浄・修復作業が進められています。 

岩井崎プロムナードセンター
建物も大きく破壊されている(2011年5月20日)

岩井崎プロムナードセンターでの作業の様子
(2011年5月20日)

被災文化財レスキュー事業 実施状況(5)
石巻文化センター(宮城県石巻市)
津波で大きな被害を受けた石巻文化センターでは、国立文化財機構、人間文化研究機構、全国美術館会議、宮城県および石巻市教育委員会、資料ネットワークなどが協力して連日レスキュー作業を実施しています。これまでに、彫刻や絵画など大型資料のレスキューから、考古資料、民俗資料、書籍・文書資料、デジタル資料まで多数のレスキューが行われ、それぞれの一時保管先に移送され、洗浄・修復作業が進められています。 

石巻文化センター 学芸資料整理室付近の状況
(2011年5月19日)

石巻文化センター 分別した書類等資料
(2011年5月22日)

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