長野市戸隠中社地区では、ネマガリダケ(和名チシマザサ)とフジを編んだ箕が作られてきました。
中社地区約150戸のうち、20戸ほどは戸隠神社の神官や宿坊などを経営する家筋で「社中」と呼ばれ、残りの「在家(非宗教者)」のうち100戸ほどがネマガリダケの竹細工に携わってきました。そのうち、箕を専門につくる「箕織り」は昭和30年代には50-60人ほどおり、30年代終わりの記録では箕(大箕を含む)3万枚が生産されていました。
ここでは東京文化財研究所で製作した戸隠箕の製作技術の映像を紹介します。
映像「戸隠箕―長野県長野市戸隠」
調査年 2019年11月~2020年3月 制作年 2021年 実演 松井 忠 調査 今石みぎわ・榎美香 調査協力 井上栄一(戸隠中社竹細工生産組合) 樋口明里(長野市立博物館) 撮影 佐野真規・小田原直也(東京文化財研究所) 太田久道(合資会社スコブル社) 編集 小田原直也 ※この映像は研究・伝承用に作成されたものです。個人の利用の範囲を超えての利用や改変をすることは出来ません。 |
参考文献
- 榎美香2023「山岳宗教集落戸隠中社の竹細工と箕織り―社会構造と生業、その技術」『民具マンスリー』56-9 神奈川大学日本常民文化研究所
- 榎美香 2024「戸隠箕-山岳宗教集落の竹細工-」『箕-自然を編む知恵と技』東京文化財研究所無形文化遺産部