タイトル:フバワク(23:19)
日時:1978年12月26日、27日 沖縄・久高島

〈フバワク行事の概要〉
 フバワクは、旧暦十一月ミンニー(壬、癸、甲、乙の日)に行なわれ、国神(両ノロ、ウメーギなどの久高島の祭祀の中心となる神役)、ヤジク(祭祀の中核を担う神女)が、御獄を回り一年が無事であったことを感謝し、神女組織を再編する(ソージヤクの交代式とテーヤク儀礼)儀礼を行なう。フバワクのフバは、沖縄で神木とされるクパ(蒲葵)のことである。フボー ウタキでは、ナンチュ(イザイホーで成巫儀礼儀礼を受け、新たに神女となった女性)がソージヤク(ナンチュの次の段階。祭りの雑事全般を受けもつ)になる新旧ソージヤクの交代式と、七十歳を迎えたタムトゥ(六十歳~ 七十歳。神女組織の最上位段階)のテーヤク(引退)儀礼も行なわれる。
イザイホーは、十二年に一度、午年に行なわれ、久高島に生まれ、久高島の男性と結婚した三十歳から四十一歳の女性が、シマの祭祀組織に加入する儀礼である。そして、ナンチュから、ヤジク(四十代)、ウンサク(五十代後半)、 タムトゥ(六十歳~七十歳)と年齢が進むにつれ、祭祀における役割も異なり、七十歳になるといっさいの祭祀行事から引退することになる。

 1978年の映像記録は、イザイホーを記録することが主な目的であり、フバワクの行事の記録については参考資料として撮影されたもので、行事の詳細な記録とはなっていない。しかしながら、イザイホーの組織に加入したナンチュたちが、その後、どのように神行事にかかわっていくのか理解する助けとなる。とくにこの映像でソージヤクの行動(フバを刈るなどの祭場の準備)がおもな対象となっているのも、記録者にこのような意図があったのではないかと推察される。映像とは別に音声も記録として残されてはいるが、まだ完全に映像と音をあわせる作業はなされず、時系列に編集し直すのことも今後の課題である。この映像では、祭祀過程が時系列には編集されていないため、映像の時間を記載し、内容についての説明を行なった。
 なお、祭祀の場所、神謡、儀礼の内容については、以下の映像、文献、調査記録を参考にした。
ヴィジュアルフォークロア(代表北村皆雄)久高島の年中行事「フバワク」 1982年
比嘉康雄『神々の原郷 久高島 上巻』第一書房 1993年 
三島まき「沖縄・久高島の「フバワク」ー祭祀歌謡に見られる「ヤジク」を中心にー」『沖縄学』12号 2009