調査ノート1

画面右下の署名と印を記録することから調査を始めています。印影が不鮮明な部分は、見えたままの状態を描き留め、「白文 始興之印 らし」「損傷大 朱文か?」と書き添えています。
調査ノート2

クリックすると書き起こしが表示されます
渡辺始興について土居は「江戸中期の障壁画家として一流」と評しました。同じく始興が描いた農夫図と伝えられる、京都・大覚寺の杉戸絵やボストン美術館所蔵の屏風と比較するためにも、人物の姿態や衣装、持物の特徴をスケッチと文字で記録しています。
調査ノート3

クリックすると書き起こしが表示されます
前頁では人物について記録し、この頁には牛と秋草など背景について記録しています。没骨(輪廓線を用いず、塗りで形を表す方法)や掘塗(輪廓線を残して生かし、その内側を塗る方法)といった表現技法について書かれています。