【加害対象物】
木材、竹材
【加害するステージ】
主に幼虫。※木材に穴をあけるほどではないが成虫も木をかじることがある。
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【分布】
ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド、南北アメリカ、日本、アフリカ
【形態的特徴】
ヒラタキクイムシ類の中では小型であり、2mm前後。頭部が一番小さく、三角形に近い形をしている。触角は先端2節が丸く太くなっている。全体的に細長い形態をしている。鞘翅(硬い羽根)には明瞭な筋(条線)が複数あり、体全体が微毛で覆われている。体を覆う微毛は短く、整列している。アフリカヒラタキクイムシやヒラタキクイムシと大きく異なる点である。
【生態・加害の特徴】
幼虫が木材や竹材を餌としており、これらの材を使用している建物や民具などの工芸品に穿孔食害を行う。成虫も穴をあけるほどではないが、材をかじる。ライフサイクルは年一化性であまり早くはない。
予防と管理上の注意点
成虫になって木材から出てくる際に細かい木くずを出すため、細かい木くずが盛塩のように円錐形に積まれていないか注意する。
【対処】
小規模の資料、作品であれば材料によってガス燻蒸、低酸素、二酸化炭素、低温などの殺虫処理を行う。
【事例数(東文研相談件数)】
2022年度1件木造建造物
【東文研登録遺伝子】
BOLD SYSTEM:
CDBLM061-21
CDBLM062-21
【参考資料】
関連論文:
・ | 竹材から得たフラスを用いて加害種を特定する分子生物学的手法の確立 |
篠崎(矢花)聡子・小峰幸夫・島田潤・佐藤嘉則 |
『保存科学』61号、pp.1-12 |