下の画像は第五扇の双六をする女の顔と右目部分のマクロ画像です。右側の目の拡大図は実際の画面上では横幅約1cmに相当します。彦根屏風の人物描写はとても細密であるとこれまでにも指摘されていましたが、細部を撮影してみると、人物の白目部分に微細な点が打たれていることが確認できました。この特徴は顔の描かれている人物13人全てに共通し、このような表現が存在していたことは、これまでの研究では認識されていませんでした。実際の画面では注意深く観察すると辛うじて確認できる、というほど小さな点ですが、瞳の黒さを強調させ、微妙な絵具の盛り上がりによって、瞳の潤んだきらめきのようにも見えます。