東京文化財研究所では無形文化遺産(工芸技術)、及び文化財保存技術(文化財を支える用具・材料等)に関する調査研究を行っています。平成27~30(2015~2018)年にかけては、長野県飯島町の勝山織物株式会社絹織製作研究所(以下、絹織製作研究所)の絹の製作技術について調査を行い、それらの成果は令和3(2021)年に『無形文化遺産(伝統技術)の伝承に関する研究報告書 絹織製作技術』として刊行しました。報告書刊行の同年、絹織製作研究所の志村明氏は国の選定保存技術「在来絹製作」の保持者に認定され、染織品の修理材料としての絹の製作を続けています。

 本学術講座では、染織品を中心とした文化財の修理技術と、修理のために必要な材料の一つである絹織製作研究所の絹の製作技術に焦点をあて、有形文化財を取りまく無形のわざを受け継ぐ意義について考えます。みなさまのご参加をお待ちしております。

開催日時
令和6年12月6日(金) 13:00〜17:00(開場12:30)

スケジュール
12:30      受付開始
13:00-13:05 開会挨拶
13:05-13:20 趣旨説明 菊池理予(東京文化財研究所)
13:20-13:50 文化財の保存技術―在来絹製作― 多比羅菜美子(文化庁 文化財第一課)
13:50-14:20 我国が保有する日本在来および世界の多彩な蚕品種の紹介とその保存状況
            伴野 豊(駒ケ根シルクミュージアム館長・九州大学名誉教授)
14:20-14:40 ロビー展示解説 
14:40-14:50    休憩(10分)
14:50-15:25 映像「普及編―絹織製作技術―」鑑賞
15:25-15:55  絹織製作技術の現状と継承 志村明・秋本賀子(絹織製作研究所)
15:55-16:00 休憩(5分)
16:00-16:55 鼎談「染織品修理と修理材料の依頼―実例を通じて―」
            依田尚美(株式会社松鶴堂)×秋本賀子(絹織製作研究所)
            聞き手 菊池理予
16:55-17:00 閉会挨拶 

お申し込み方法:
ご参加をご希望される方は、【①氏名 ②住所 ③メールアドレスまたはFAX番号】をご記載の上、令和6年11月29日(金)17:00までに
    E-mail: mukei_tobunken@nich.go.jp 東京文化財研究所 無形文化遺産部 宛
または FAX: 03-3823-4854 東京文化財研究所 無形文化遺産部 宛
にお申し込みください。
なお、申し込みは先着順となっており、定員(100名)に達した時点で締め切ります。締切前に定員に達した場合にはHPに掲載します。