日本の伝統的な籠といえばタケ類による籠が一般的ですが、マダケの生育しない寒冷地や山間部では、樹木、ツル性植物、ササ類、草など、様々な素材から暮らしの籠が作られました。

このうち、樹木の木質部を薄く剥いでヒゴ状にして編む籠は、かつて東日本から西日本の山間部にかけて、広く見られました。

滋賀県長浜市余呉町の北部、奥丹生谷地域で作られてきた木かごは、イタヤカエデやヤマモミジ、ミズナラ等の若木を年輪に沿って剥ぎ、編んだものです。生産量が最も多かった旧小原村にちなんで「小原籠(おはらかご)」と呼ばれ、養蚕の桑摘みかごなどとして流通しました。

伝統的なものから現代のものまで(写真:浅井千穂)

長年使いこんで飴色になった籠

奥丹生谷の木かご―小原かご 滋賀県長浜市余呉町

実演・協力:太々野㓛・荒井恵梨子
構   成:荒井恵梨子
撮影・編集:浅井千穂・佐野真規
監   修:今石みぎわ
製 作 年:2024年(調査は2023年)
製   作:東京文化財研究所

本映像は、三菱財団人文科学助成「無形文化遺産における木材の伝統的な利用技術および民俗知に関する調査研究」の助成を受けて制作したものです。