独立行政法人国立文化財機構 東京文化財研究所

売立目録作品情報_凡例

◇「作者名」
売立目録に記される人名のうち、原則として、作品そのものの制作への関与が想定される人名を選択して表示した(※1)。表示にあたっては、売立目録に記された表記のまま原表記で表示し、その後の【 】内に一般的な辞典に記載される推定作者名(以下【辞典記載名】とする)を、姓名ともに補って表示した。ただし、【辞典記載名】は「作者名」欄に入力した人名にのみ補い、「作品名」欄や「箱書・外題・付属品等」欄に表示される人名には補っていない。また、作品が刀剣の場合には、基本的に【辞典記載名】を補わず、原表記のみを表示し、さらに、原表記と【辞典記載名】が同一の場合にも、【辞典記載名】を省略し、原表記のみを表示した。なお、原表記が誤記と推定される場合には、[ ]内に正表記を補ったうえで【辞典記載名】を表示し、原表記から作者を推定できない場合や、作者が辞典等に載っていない場合には【◆】で表示した。このほか、作者が複数名の場合には「/」で区切って表示し、推定作者が複数名想定される場合には、推定される【辞典記載名】を原表記の後に列記した。また、推定作者があまりに多数想定される場合には、原表記の後に【□】で表示した。

表示例1)原表記【辞典記載名】
2)原表記のみ→原表記=【辞典記載名】、あるいは、刀剣の作者名
3)誤記[正表記]【辞典記載名】
4)原表記【◆】→作者を推定できない、あるいは、辞典に載っていない作者
5)原表記【□】→多数の作者が推定される

(※1)以下のような場合、作家・技術者でない人名(茶人など)でも作者名欄に表示した。
*売立目録の原表記に「手造」「作」とある。
*原表記「手造」「作」の有無にかかわらず、作家・技術者でなくとも成形・加工が容易と考えられる材質・形状の作品。
例)茶碗、竹製の茶杓、竹・瓢簞・椰子などを加工した花生(花入)・蓋置など

◇「作品名」
売立目録に記される作品名のうち、原則として、作品そのものに関わると想定される情報を選択して表示した。なお、対幅や合作などで複数の作品名が連続して記されている場合には、適宜「/」で区切り、わかりやすく表示するよう努めた。また、賛者は、作者名ではなく、作品名の後に「/」で区切り、【辞典記載名】を補わず、原表記のまま表示した。このほか、一部の人名(※2・3)をはじめ、「古画」、「仏画」などの分類を示す情報、「唐物」、「宋」、「元」、「明」など時代を示す情報、作品の銘、作品の文様・材質、共箱・共蓋などの情報も選択して表示した。

(※2)以下のようなの場合、人名であっても作者名欄に表示していない場合がある。
*その作品の作者ではなく、「好(このみ)」や「在判」、「所持」を意味する。
例)原表記「利休黒中棗」・・・「利休好」と判断し作品名欄のみに表示。

(※3)以下のような場合、原表記にある人名を作者名欄と作品名欄の両方に表示している場合がある。
*刀剣作品。
*売立目録の原表記からは、人名か様式・技法名かの区別ができない。
例)原表記「乾山」には、作者「尾形乾山」と様式名「乾山焼」の両方の可能性がある。
*異なる作者による複数の作品が一件としてまとめられている(合作は除く)。
例)皆具、煙草入、拵付刀、茶碗が二つなど
*作者であるか否かの判断が難しい、あるいは、厳密な意味での作者でない可能性がある。
例)下絵(絵付けも含む)の作者、銘などの元の筆者(木彫字額・釜など)、「□□刻(彫)」とある印材、「□□在銘」、「□□在印」、「作者名+共筒茶杓」など。

◇「箱書・付属品等」
「箱」、「箱書」、「付属品」、「添状」、「極」、「伝来」、「所載」などの情報を、選択して表示した。ただし、「ジャンル」欄に「絵画」や「書跡」と表示されている作品については、情報を表示していないものも多い。また、工芸品の「皆具」や刀剣の「刀装具」は、付属品とみなし、この欄に表示した。なお、箱書や添状などに記された人名については、原則として、「作者名」欄のような【辞典記載名】を補わないが、一部、作品の制作に関わりが深いと想定される人名については、「作者名」欄にも表示した(※4)。

(※4)以下のような場合、付属品に関連する人名を、「作者名」欄と「箱書・外題・付属品等」欄の両方に表示した。
*印籠や煙草入れの付属品としての根付や金具の作者。
*刀剣に付属する鞘、目貫、鍔など刀装具の作者。

◇「材質・形状・員数・寸法等」
「材質」、「形状」、「員数」、「寸法」、「表具」などの情報を、選択して表示した。ただし、「ジャンル」欄に「絵画」や「書跡」と表示されている作品については、情報を表示していないものも多い。

◇「東文研番号」
東文研の請求番号を表示した。

◇「入札会名」
原則として、売立目録に記されている名称をそのまま表示したが、「目録」としか名称が記されていない場合は、都守淳夫『売立目録の書誌と全国所在一覧』(勉誠出版、2001年)(以下、都守本と略す)の表記を採用し、推定される内容を[ ]内に表示した。

◇「家名」
原則として、都守本の表記に、調査等で判明した情報を加え、売立した家名を表示した。なお、売立目録に売立をおこなった地域が明記される場合は( )内に、売立の内容から推定される場合は[ ]内に、その地域を表示した。

◇「会場名」
原則として、売立目録に記されている会場名を表示したが、売立の開札会場とは別に、下見会場が記されている場合には、開札会場名を表示した。

◇「売立終了日」・「売立終了日(西暦)」
原則として、売立目録に「売立」、「入札」、「開札」、「展観」、「会期」、「競売」、「口糶」と記されている日付のうち、最も遅い日時を「売立終了日」とした。元号、月日の表示については、「下見開始日」と同様。和暦の元号表記は、明治をM、大正をT、昭和をS、平成をH、年未詳をX99と表示し、また、売立目録に年次が明記されず、年次を推定した場合は、和暦の数字部分のみを( )(半角カッコ)に入れて表示した(たとえば、明治44年と推定される場合、「M(44)」と表示。西暦表示では、推定年次であると判断できない点には注意が必要。)。月日は4ケタで示し、月日未詳の場合は「9999」と表示した。

◇「作品番号」
売立目録に記される作品番号を、アラビア数字4ケタで表示した。原則として、漢数字はアラビア数字に改め、数字が記されないものは「0000」、「一」(一つ書き)を記したものは「0001」、通し番号と「一」(一つ書き)とを両方記したものは、通し番号のみを表示し、数字以外の漢字を記したものは、漢字のまま表示した。

◇「ファイル番号」
原則として、該当する売立目録を表紙から見開きで撮影した画像の通し番号を示し(目録に落丁等があった場合には、その限りではない)、画像データの利用請求をする際に必要となる。

◇各欄に表示される特殊な文字
■…印刷や乱丁等の理由で、文字自体が記されていない、欠字であることを示す。
◆…売立目録に、文字自体は記されているが、乱丁や破損、汚損等の理由で判読できない文字、あるいは文字の表示規定上、表示できない文字であることを示す。または、辞典等から推定できない作者であることを示す。
[ ]…売立目録自体に記されている表記ではなく、データベースの作成にあたって、入力担当者が何らかの判断に基づいて、補った表記であることを示す。
《 》…売立目録に付属する正誤表等に基づいて、補った表記であることを示す。

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