| ◎白馬会展覧会 昨日（さくじつ）より上野公園竹（うへのこうゑんたけ）の台陳列館（だいちんれつくわん）に於（おい）て開催（かいさい）したるが出品数（しゆつぴんすう）は約（やく）六百点（てん）に上（のぼ）り開催第（かいさいだい）一日より出品悉（しゆつぴんことごと）く出揃（でそろ）ひとなりたり新作品（しんさくひん）には黒田清輝氏（くろだきよてるし）の人物画（じんぶつぐわ）三点（てん）、風景其他（ふうけいそのた）九点（てん）、岡田（をかだ）三郎助氏（ろすけし）の人物（じんぶつ）二点、長原孝太郎氏（ながはらかうたらうし）の「新聞紙（しんぶんし）」中沢弘光氏（なかざはひろみつし）の奈良（なら）、湯（ゆ）ケ島風景（しまふうけい）五点（てん）、山本森之助氏（やまもともりのすけし）の風景画（ふうけいぐわ）二点（てん）、小林鍾吉氏（こばやしゝようきちし）の風景（ふうけい）五六点（てん）、小林萬吾氏（こばやしまんごし）の風景二点其他跡見泰（てんそのたあとみたい）、岡野栄（をかのえい）、中村勝治郎（なかむらかつぢらう）、岡吉枝（をかよしえ）、熊谷守（くまがひもり）一、正宗得（まさむねとく）三郎（らう）の諸氏（しよし）を始（はじ）め新進作家（しんしんさくか）の出品頗（しゆつぴんすこぶ）る多（おほ）く新帰朝者藤島武二氏（しんきてうしやふぢしまたけじし）は人物風景（じんぶつふうけい）の作品（さくひん）二十七点（てん）とシヤヴアンヌ筆壁画（ひつへきぐわ）の一部（ぶ）の模写（もしや）を出陳（しゆつちん）し湯浅（ゆあさ）一郎氏（らうし）は新作品（しんさくひん）の外（ほか）ヴエラスクエス筆模写（ひつもしや）四点（てん）を出陳（しゆつちん）せる外中（ほかなか）にもマドリツド府美術館（びじゆつくわん）にある官女（くわんぢよ）、織女（しよくぢよ）の二図（づ）は頗（すこぶ）る見事（みごと）なものにして皆（み）な大幅（たいふく）なり尚参考品（なほさんかうひん）としてコルモンの画稿（ぐわかう）四点（てん）、コランのデツサン四点（てん）、ヴグマンの画等（ぐわとう）十数点（すうてん）あり |
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