| △白馬会展覧会 白馬会創立（はくばくわいさうりつ）二十年紀念油絵展覧会（ねんきねんあぶらゑてんらんくわい）は去（さ）る二十三日より上野（うへの）五号館南部（がうくわんなんぶ）に於（おい）て開会（かいくわい）せり同会（どうくわい）が表掛（おもてかゞ）りの入口（いりぐち）より内部（ないぶ）の陳列装飾（ちんれつさうしよく）に頗（すこぶ）る意匠（いしやう）を凝（こ）らしたるは非常（ひじやう）の見栄（みば）へあり今回（こんくわい）は本会創立（ほんくわいさうりつ）二十年紀（ねんき）を表（へう）する為（た）め別（べつ）に二十年前（ねんぜん）の大作（たいさく）を蒐集（しうしふ）して縦覧（じうらん）に供（きよう）することとし新作出品（しんさくしゆつぴん）も中々多（なかなかおほ）く会員中旧作（くわいゐんちうきうさく）もあれど兎（と）に角（かく）一人（にん）にて二三十点（てん）づゝの出品（しゆつぴん）ありて合計（がふけい）四百余点（よてん）の多数（たすう）となれり尤（もつと）も今回（こんくわい）は特別室（とくべつしつ）を設（まう）け得（う）る程（ほど）の裸体画（らたいぐわ）はなくも二三半裸体画（はんらたいぐわ）は陳列（ちんれつ）しあり新作中重（しんさくちうおも）なるものは林忠正氏出品（はやしちうせいししゆつぴん）にて有名（いうめい）の仏国画家（ふつこくゞわか）ラフエルラン氏筆洋美人（しひつやうびじん）の大樹（たいじゆ）の下（もと）に直立（ちよくりつ）せる図（づ）、和田英作（わだえいさく）の衣通姫（そとほりひめ）、小林萬吾（こばやしまんご）の静御前（しづかごぜん）、赤松麟作（あかまつりんさく）の牛耕作（うしかうさく）、和田（わだ）三造（ざう）の農馬数頭（のうばすとう）を使役（しえき）する農家男女（のうかなんによ）、小林（こばやし）千古（こ）の寺院装飾画中道（じゐんさうしやくゞわちうだう）、裸体美人（らたいびじん）、黒田清輝（くろだきよてる）のモデル人物手（じんぶつて）と手（て）、燈下（とうか）の子供（こども）、安藤仲太郎（あんどうなかたろう）の果物其他数（くだものそのたすう）十点（てん）なり |
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