『大正期美術展覧会出品目録』は平成9年度より4年間、東京国立文化財研究所美術部第二研究室が中長期研究計画としてあげた「明治後期から昭和前期の美術団体、内外博覧会に出品された作品および作家の研究」と、平成13年度より独立行政法人化され、新たに開始した美術部黒田記念近代現代美術研究室の研究プロジェクト「昭和前期を中心とする日本近代美術の発達に関する調査研究」の研究成果の一部である。大正期を中心に明治40年から昭和5年にかけて開催された美術展覧会の出品作品をインデックスとして編集したもので、文展・帝展といった官設の展覧会から院展や二科会などの団体展、赤曜会・金鈴社のような小グループの展観、そして諸々の博覧会に出品された美術作品をもその対象としています。
編集にあたっては、各団体の史料編纂や先行研究においてすでに出品作がデータ化されているものはそれを利用したが、原則として当時の出品目録・作品図録にあたり、目録を欠くものは開催時、雑誌・新聞に掲載された展評をもとに出品作を洗い出しました。その結果、作品件数にして約41,000件のデータを収め、作家別の索引も付して複数の展覧会にまたがる出品状況も一覧できるなど、大正期の美術を作品データを通して総覧できる基礎資料集となっています。 2002年6月30日発行 目次 序 (収録展覧会)東京勧業博覧会、文部省美術展覧会、国画玉成会、日本彫刻会、仮面会、光風会、フュウザン会、東京大正博覧会、二科会、再興日本美術院、赤曜会、大阪美術展、珊瑚会、草土社、金鈴社、国画創作協会、日本創作版画協会、帝国美術院美術展覧会、中央美術展、新興大和絵会、東台彫塑会、平和記念東京博覧会、春陽会、曠原社、円鳥会、マヴォ、アクション、白日会、復興記念合同彫塑展、大阪市美術協会展、1930年協会、聖徳太子奉賛展覧会、新樹社 本書は中央公論美術出版より市販されています。
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