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“航空黎明期の写真展”

-それでも私は飛ぶ-



日程:平成25年3月26日(火)~平成25年4月7日(日)

場所:国立科学博物館 地球館2階 「科学と技術の歩みリンクコーナー」

 人々の空を自由に飛びたいという願いは、有史以前からのものです。気球や模型飛行機、グライダーなどの人類の様々な試みの後、飛行機による「操縦された、持続的な、動力による自由飛行」についに成功したのは、アメリカのライト兄弟でした。今から110年前の1903(明治36)年のことです。日本で初めて飛行機の動力飛行が成功したのは、それから7年後の1910(明治43)年。2010(平成22)年12月~2011(平成23)年2月にこの国立科学博物館において、日本の航空・宇宙100年を記念して開催された展覧会「空と宇宙展 飛べ!100年の夢」は記憶に新しいことと思います。
 木と布で出来た凧のような飛行機から出発して、その後、今日に至るまで航空機はめざましい発展を遂げました。初期の飛行機には事故も少なくなく、飛行機に乗るのは命懸けでしたが、高く、遠く、速く、そして自由に空を飛ぶという人類の長年の夢の実現は人々を熱狂させました。そして、その過程を今日に伝えているのが写真というメディアです。 日本でも飛行機の初飛行から100年以上が経ち、それを記録した写真もそれぞれの時を重ねていますが、銀化合物を感光剤として利用する写真は必ずしも安定した存在では無く、その保存・修復は近代の姿を後世に残していくための大きな課題となっています。
 東京文化財研究所と日本航空協会は、航空に関する資料の保存方法や修復方法の研究を共同でおこなっており、保存処置の一環として写真などのデジタル化も進めています。このたびの写真展では、デジタル化の終了した写真や関連する資料などをご覧いただきます。現在の航空宇宙の技術開発の原点ともいえる航空黎明期の飛行機や、命を懸けて飛行に挑戦する人々の姿を伝える写真などを通して、新しい時代を切り拓いていった先人たちの勇気や情熱を感じていただければ幸いです。

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一般財団法人日本航空協会