裏打紙
絵画、書跡、古文書などの文化財は、掛軸、巻子、屛風などに仕立てられて伝わってきたものが少なくありません。仕立てにあたっては、裏側から紙を貼り重ね補強されています。修理にあたっては、文化財を支える力を失った古い裏打紙を更新することが重要であるため、伝統的な技術・用具・原材料によって新たに漉かれた裏打紙が使われています。
補修紙
絵画、書跡、古文書などには、時代ごとに特徴がある多種多様な紙が用いられています。文化財の修理にあたっては、欠損部分を補修する紙(補修紙)が不可欠です。補修紙を製作するには、各原料の特性を理解して紙料をつくり、さまざまな用具を用い、復元的に紙を製作する技術が求められます。
板布海苔
板布海苔は海藻由来の材料で、抽出した液は一時的な剥落止めや増粘剤として用いられます。特に装潢修理では「表打ち」という工程で重視されています。板布海苔の製造では、天日乾燥などの伝統的な製法が続けられており、あらかじめ溶かし乾燥させていることで、煮てすぐに糊剤として使うことができることからも、文化財修理において重要な役割を果たしています。
【解説】 板布海苔の文化財修理における重要性 (5:14)
【工程】 板布海苔の製造技術 (4:39)