「文化財の放射線対策に関する研究会」資料の公開について

文化財の放射線対策プロジェクトリーダー 石崎武志(東京文化財研究所副所長)

 平成23年3月の東日本大震災の際の福島県の原子力発電所の事故により、大量の放射性物質が排出され、放射線被害の現状把握および除染技術など、様々な分野で検討が進められております。文化財保護の観点からも、福島県の文化財施設や文化財の放射線被害の現状把握、調査手法の確定、文化財の移動の基準、除染方法等を検討する必要があります。また、二度と起こってはならない事故ではありますが、危機管理の一環として、対策を立てておく必要があります。
 東京文化財研究所では、独立行政法人文化財機構、独立行政法人国立美術館、全国美術館会議、福島県教育庁、福島県内文化施設とともに、平成24〜25年度の2か年に「文化財の放射線対策に関する調査研究」を進めてまいりました。その成果として研究会を2013年3月11日、2014年2月12日に開催し、『博物館美術館等のリスクマネージメント−放射性物質に汚染された塵埃への対応を中心に−(20140210案)』、『文化財の除染に対する基本的考え方(20140210案)』をまとめました。
 以上の資料について、順次ホームページ上に公開することにいたしました。

第1回研究会 日時:平成25年3月11日、場所:東京文化財研究所会議室 

 研究会の趣旨説明 (東京文化財研究所副所長 石崎武志)
 環境の放射性物質とその影響 (武蔵大学教授 薬袋佳孝)
 黙祷 東日本大震災2周年に際して
 農業分野での放射性物質による土壌汚染と除染の現状 (東京大学教授 溝口勝)
 福島県での文化財の放射線被害の現状 (福島県教育庁文化課専門文化財主査 丹野隆明)
 博物館・美術館の放射線量バックグラウンド測定(東京文化財研究所保存修復科学センター保存科学研究室長 佐野千絵)

第2回研究会 日時:平成26年2月12日、場所:東京文化財研究所会議室

 研究会の趣旨説明 (石崎武志)
 除染に関する基本的な考え方 (東京大学 桧垣正吾)
 福島県立美術館での放射線対策について (福島県立美術館 伊藤匡)
 放射線量の測定方法、環境評価等に関するWG1活動報告  (佐野千絵)
 除染方法等に関するWG2活動報告 (東京文化財保存修復科学センター伝統技術研究室長 北野信彦)

配布資料
@ 『博物館美術館等のリスクマネージメント−放射性物質に汚染された塵埃への対応を中心に−(20140210案)』
A 『文化財の除染に対する基本的考え方(20140210案)』

<お願い>2014年3月20日までに、配布資料@Aにつきましてご意見をお寄せください。

東京文化財研究所保存修復科学センター保存科学研究室長 佐野千絵
FAX: 03-3822-3247  E-MAIL: sano@tobunken.go.jp