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白馬会関係新聞記事 第13回白馬会展

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白馬会展覧会(はくばくわいてんらんくわい)
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| 日本 | 1910(明治43)/05/11 | 5頁 | 展評 |
予報(よはう)の如(ごと)く十日より上野竹(うへのたけ)の台陳列館(だいちんれつくわん)に開会出品数(かいくわいしゆつぴんすう)六百余点(よてん)に上(のぼ)り初日(しよにち)より悉(ことごと)く出揃(でそろ)ひとなり新作品(しんさくひん)には黒田清輝氏(くろだきよてるし)の人物画(じんぶつぐわ)三点風景其他(てんふうけいそのた)九点(てん)、岡田(をかだ)三郎助氏(らうすけし)の人物(じんぶつ)二点(てん)、長原孝太郎氏(ながはらかうたらうし)の「新聞紙(しんぶんし)」中沢弘光氏(なかざはひろみつし)の奈良(なら)、湯(ゆ)ケ島風景(しまふうけい)五点(てん)、山本森之助氏(やまもともりのすけし)の海景画(かいけいぐわ)二点(てん)、小林鐘吉氏(こばやしゝようきちし)の風景(ふうけい)五六点(てん)、小林萬吾氏(こばやしまんごし)の風景(ふうけい)二点其他跡見泰(てんそのたあとみたい)、岡野栄(をかのえい)、中村勝治郎(なかむらかつぢらう)、岡吉枝(をかよしえ)、熊谷守(くまがいしゆ)一の諸氏(しよし)を始(はじ)め新進作家(しんしんさくか)の出品頗(しゆつぴんすこぶ)る多(おほ)く又新帰朝者藤島武(またしんきてうしやふぢしまたけ)二氏(し)は人物風景(じんぶつふうけい)の作品(さくひん)二十七点(てん)とシヤヴアンヌ筆壁画(ふでへきぐわ)一部(ぶ)の模写(もしや)を出陳(しゆつちん)し湯浅(ゆあさ)一郎氏(らうし)は新作品(しんさくひん)の外(ほか)にヴエラスケス筆模写(ふでもしや)四点(てん)を出陳(しゆつちん)せるが中(なか)にもマドリツト府美術館(ふびじゆつくわん)にある官女(くわんぢよ)、織女(しよくぢよ)の二図(づ)は頗(すこぶ)る見事(みごと)なるものにて前者(ぜんしや)は高(たかさ)一丈(じやう)三寸余幅(すんよはゞ)九尺(しやく)、後者(こうしや)は高(たかさ)七尺(しやく)、幅(はゞ)一丈(じやう)三寸余(すんよ)の大幅(たいふく)なるが湯浅氏(ゆあさし)が西国遊学中長日月(さいこくいうがくちうちやうじつげつ)の間熱誠(あひだねつせい)に模写(もしや)せるものなれば我洋画界(わがやうぐわかい)の爲(た)めには裨益(ひえき)する所多(ところおほ)かるべし尚参考品(なほさんかうひん)としてはコルモンの画稿(ぐわかう)四点(てん)コランのデツサン四点(てん)ワグマンの画等(ぐわとう)十数点(すうてん)あり

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