白馬会関係新聞記事 第6回白馬会展
| 美人（びじん）の釘付（くぎづけ） （有情（いうじやう）？無情（むじやう）？） |
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| | 中央新聞 | 1901/10/31 | 5頁 | 雑報 | | |
| 上野（うへの）の暮秋（ぼしう）を彩（いろ）どる白馬会（はくばくわい）の裸美人（らびじん）が白布（しろぬの）を以（もつ）て腰部（えうぶ）を蔽（おほ）はれし事（こと）は過日（くわじつ）の紙上（しじやう）に記（しる）せしが去（さる）廿六日某風流侯爵来観（にちばうふうりうこうしやくらいくわん）して細腰徒（さいえういたづ）らに雲（くも）の為（た）めに遮（さへ）ぎられ模糊（もこ）たる風光（ふうくわう）の物足（ものた）らぬを憾（うら）み事務員（じむゐん）を呼（よ）びて例（れい）の白布（しろぬの）を取退（とりの）かしめ凝視久矣（ぎようしひさしう）して立去（たちさ）り給（たま）ひけるが此時入場（このときにうぢやう）せし公衆（こうしう）も共（とも）に観覧（くわんらん）せしを巡回（じゆんくわい）の警部（けいぶ）が認（みと）めたりとて一昨日下谷警察署（さくじつしたやけいさつしよ）は事務員（じむゐん）を召喚（せうくわん）して前（まへ）の次第（しだい）を述（の）べ以後如何（いごいか）なる狂風吹来（きやうふうふきゝた）るとも容易（たやす）く捲去（まきさ）られぬやう堅（かた）く釘付（くぎづけ）にせよとの厳命（げんめい）、花（はな）を惜（をし）むお役人（やくにん）の心（こゝろ）かは知（し）らねど有情却（いうじやうかへ）つて無情（むじやう） | |
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