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第55回オープンレクチャー
かたちを見る、かたちを読む ※開催は終了いたしました。

造形美術は、時や場所、作者等、さまざまな要素が絡みあい、ひとつのかたちとして結実しています。

それらの要素をひもとき、あらためてそのかたちを見つめ直す作業を繰り返しながら、わたしたちはそこに込められたものをより深く、正確に読むことになるのではないでしょうか。

このレクチャーは当研究所の研究員による、そうした営みの成果をご紹介するものです。


(チラシ:PDF/0.94MB)

2021年11月5日(金)
午後1時30分~4時30分  於 東京文化財研究所・地下セミナー室
皆金色阿弥陀絵像の出現とその意味― 転換期の時代思潮の表象
小林 達朗(東京文化財研究所文化財情報資料部 日本東洋美術史研究室長)
仏画において、仏の肉身は金色とされているにもかかわらず、平安時代以前は、その表象には敢えて金を直接用いることなく、金以外の黄などの絵の具を用い、暈(くま)を施すなどして、表されていました。しかし、おそらく鎌倉時代初期から中期にかけて金泥もしくは金箔によってあらわすものが出現します。大きな表象の転換と言えるでしょう。この問題を、多くは阿弥陀像において起こっていることから、阿弥陀への認識の時代的思潮の転換、特に天台本覚思想の出現を中心に読みとく試みを行います。


香川・妙法寺の与謝蕪村筆「寒山拾得図襖」―画像資料を活用した復原的研究―
安永 拓世(東京文化財研究所文化財情報資料部 主任研究員)
香川県丸亀市の妙法寺には、江戸時代の画家で俳諧師でもある与謝蕪村(1716 ~ 83)の描いた「寒山拾得図襖」(重要文化財)が残されていますが、現状では寒山図の顔の一部が損傷し、失われています。しかし、1959 年に東京文化財研究所が撮影したモノクロ写真には、 損傷前の状態が写されており、当初の図様が判明しました。 本発表では62年前に撮影されたモノクロ写真と、新たに撮影した高精細画像を組み合わせ、襖絵の復原を試みることで、東京文化財研究所が蓄積してきた画像資料の新たな活用法を探りたいと思います。

受講方法
受講には事前申し込みが必要です。 下記Eメール、ファックス、往復はがきのいずれかで、
東京文化財研究所文化財情報資料部あてに、お申込みください。
いずれの場合も、必ず「オープンレクチャー受講申し込み」を表題に(メールの場合は件名に)明記のうえ、御住所・御氏名・ふりがな・電話番号・ファックスでお申し込みの方はファックス番号をお書き添えください。

■定員:30名(新型コロナ対策として抽選制とさせていただきます)
■受講料:無料
■申し込み期限:2021年10月15日(金)※受講申し込み受付は終了しました
(当選者の発表は受講票の発送をもって代えさせていただきます)
■申し込み先・問い合わせ先:
東京文化財研究所文化財情報資料部
〒110-8713 東京都台東区上野公園13-43
E-mail  kjkenkyukai@tobunken.go.jp
ファックス 03-3823-2371
電    話 03-3823-4829(土日祝日を除く 10:00-17:00)



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