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第52回オープンレクチャー
かたちからの道、かたちへの道
 

2018年10月26日(金)・ 10月27日(土)
いずれも午後1時30分~午後4時30分
東京文化財研究所・地下セミナー室
受講無料・要申し込み
※終了いたしました。

東京文化財研究所文化財情報資料部では、毎年秋に研究成果を一般に公開するための講座を開いています。
今年も下記の通り、2日連続で4人の講師による講演会を行います。(チラシ:PDF/2.35MB)

上野の山文化ゾーンフェスティバル (台東区のウェブサイトが開きます)

2018年10月26日(金)
午後1時30分~午後4時30分 於 東京文化財研究所・地下セミナー室
文化財データベースの作成とその意義について
小山田 智寛(東京文化財研究所 文化財情報資料部 研究員)
東京文化財研究所は、文化財に関する情報の収集を業務の一つとしている。1930年の設立以来、収集した情報は、静止画や動画、書籍や作家の残した資料など多岐にわたる。これらの情報の公開と利用を進めるため、2014年、新規にWebデータベースを作成し、現在、およそ140万件が公開されている。本発表では、どのように文化財データベースを作成したのか、そして、データベース化することの意義について報告する。


雪村周継と臨済宗幻住派 ―大雄山法雲寺を起点に―
水野 裕史(筑波大学 芸術系 助教)
雪村周継は、雪舟と並び称される室町時代を代表する画僧である。常陸国で生まれた雪村は、会津、小田原、鎌倉、三春と諸国を遊歴し、独自の様式を確立したことで知られる。この遊歴と彼の“かたち”の背景については、茨城・法雲寺を中心に関東禅林を席巻した臨済宗幻住派との関わりが指摘されている。本発表では、法雲寺に所縁のある禅僧の史料を起点に、雪村と臨済宗幻住派の関係について、改めて考えてみたい。

 
2018年10月27日(土)
午後1時30分~午後4時30分 於 東京文化財研究所・地下セミナー室
裸婦に表された地域性 ―フジタ・常玉・陳澄波を例に
山梨 絵美子 (東京文化財研究所 副所長)
日本近代の油彩画家にとって西洋美術とどう向き合うか、また、自らの属する地域との関係をどのように作品に反映するかが大きな問題であった。その傾向は近代のアジア諸地域の造形にも共通に見られる。本発表では、1920年代から30年代にパリで活躍した藤田嗣治(1886-1968)と常玉(1901-1966)、および台湾で活躍した陳澄波(1895-1947)が、西洋近代美術において重要なモチーフとされた裸体表現にどのように取り組んだかを比較し、それぞれの画風に表された地域性について考えたい。


伝統を現代につなぐ:斉白石が描いた花鳥のかたち
呉 孟晋 (京都国立博物館 学芸部 主任研究員)
激動する中国近代に生きた水墨画家にとって、新たな創作の源は明末清初の王朝交代期に生きた石濤や八大山人ら奇想の画家たちの作であった。なかでも斉白石(1864-1957)は八大山人の花鳥図に惹かれ、ユーモラスな鶏や鴨のすがたを写意的に描くことでその名をあげて、中国現代水墨画の礎を築いた。伝統的な「かたち」をいかに現代につなげていくのか。今秋から来春にかけて東京国立博物館と京都国立博物館で開催される「中国現代絵画の巨匠 斉白石」展にちなんで白石芸術の革新性をみていきたい。


受講方法
10月1日より
募集を開始します

受講には事前申し込みが必要です。下記Eメール、ファックス、往復はがきのいずれかで、東京文化財研究所文化財情報資料部あて、お申込みください。いずれの場合も、必ず「オープンレクチャー受講申し込み」を表題に(メールの場合は件名に)明記のうえ、受講を希望される日・御住所・御氏名・ふりがな・電話番号・ファックスでお申込みの方はファックス番号をお書き添えください。
ファックス用申し込み用紙はこちらからダウンロードできます。(PDF/92KB)

■定員:各日70名(申し込み先着順)
■受講料:無料
■申し込み期限:2018年10月22日(月)
(各日定員になり次第、締め切らせていただきます)
*抽選となりますが、台東区募集分については10月3日(水)まで申し込みを受け付けております。詳細はこちらをご覧ください。
■申し込み・問い合わせ先
東京文化財研究所文化財情報資料部
〒110-8713 東京都台東区上野公園13-43
電話03-3823-4829 ファックス03-3823-2371 E-mail: kjkenkyukai@tobunken.go.jp
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