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第48回オープンレクチャー
モノ/イメージとの対話
 

2014年10月31日(金)・ 11月1日(土)
いずれも午後1時30分~午後4時30分
東京文化財研究所・地下セミナー室
受講無料 
※受講申し込み受付は終了しました。

東京文化財研究所企画情報部では、毎年秋に研究成果を一般に公開するための講座を開いています。
今年も下記の通り、2日連続で4人の講師による講演会を行います。(ポスター(PDF/1.47MB))

教育・文化週間 上野の山文化ゾーンフェスティバル講演会一覧(PDF/1.27MB)

■2014年10月31日(金)午後1時30分~午後4時30分 於 東京文化財研究所・地下セミナー室
一流相承系図(絵系図)の構想と機能
津田 徹英 (東京文化財研究所 企画情報部文化形成研究室長)
院政期絵画における二つの美の原理
―似絵の成立をめぐって―

伊藤 大輔(名古屋大学大学院 教授)
 一流相承系図は、14 世紀に京都・西国に進出を果たした南関東系の真宗門徒が重んじた図巻形式の系図である。原初的形式を伝える京都・長性院本では、僧俗の老若男女の入信時の姿を描き留め、その意味では当代似絵の範疇に属する。しかも似絵を列座のなかに収める形式は、先行して宮廷で重んじられた「天皇・摂関・大臣影」にも通じる。はたして両作例は全く無関係であったのかどうかを考えつつ、標題作例の構想と機能に及んでみたい。  平安時代の美術は、豪華壮麗な王朝的装飾美にその特徴が見出されている。その背景には、金銀で装束や調度を飾り立てる貴族達の「風流」の精神があることはよく知られている。その一方で、逸脱しすぎた「風流」は、「過差」として禁制の対象となった。従来、この「過差禁制」は、美の創造的原理としてはさほど注目されてこなかった。本発表では、「風流」と「過差禁制」を二つの美の原理と見なし、作品の諸系列の編成を試みる。

■2014年11月1日(土)午後1時30分~午後4時30分 於 東京文化財研究所・地下セミナー室
仙台・昭忠碑、被災から復興へ向けて
塩谷  純 (東京文化財研究所 企画情報部近・現代視覚芸術研究室長)
戦争の「表象と本物」
河田 明久 (千葉工業大学 教授)
 仙台城(青葉城)本丸跡に建つ昭忠碑は、明治35 年(1902)、仙台にある第二師団関係の戦没者を弔慰する目的で建立されたモニュメントである。皇居前の楠木正成像や上野の西郷隆盛像と同様、東京美術学校(現、東京芸術大学)の依嘱製作によるもので、いわば同校の粋を集めて建造された本碑は、先の東日本大震災により塔上部のブロンズの鵄が落下し破損するという被害を受けた。このレクチャーでは同碑の美術史的意義と被害状況、そして復興へ向けた動きを、修復にたずさわる高橋裕二氏(ブロンズスタジオ)にもご登壇いただきながら報告する。  何かを表した美術作品はその何かの「表象」であると同時に、それ自体が価値を帯びた「本物」でもある。この当たり前の二面性が、「主題主義の芸術」にとっては躓きの石となる。戦争美術はその典型だろう。戦争の表現は、戦争という主題に作品としての権威を裏打ちされながら、一方では、当の戦争を表現のための素材におとしめることで成り立っている。本物の戦争という価値の源泉を前に、戦争美術は果たしてもう一つの本物たりうるのか。アジア太平洋戦争期の作例を中心に、戦争美術というものの存在意義をあらためて考える。

受講方法

※定員に達したため、受講申し込み受付は終了致しました。

受講には事前申し込みが必要です。往復はがき、ファックス、Eメールのいずれかで、東京文化財研究所企画情報部宛にお申し込みください。いずれの場合も、必ず「オープンレクチャー受講申し込み」を表題に(メールの場合は件名に)ご明記のうえ、受講を希望される日・住所・氏名・電話番号・ファックス番号をお書き添えください。
申し込み用紙はこちらからダウンロードできます。(PDF/90.6KB)

定員:各日80名(申し込み先着順)
受講料:無料
申し込み期限:2014年10月20日(月)(各日定員になり次第、締め切らせていただきます)
両日とも定員に達しましたので申し込みを締め切らせていただきます。
*抽選となりますが、台東区募集分については10月15日(水)まで申し込みを受け付けております。詳細はこちらをご覧ください。

申し込み・問合せ先
東京文化財研究所企画情報部
〒110-8713 東京都台東区上野公園13-43
電話03-3823-4829 ファックス03-3823-2371 E-mail: kjkenkyukai@tobunken.go.jp
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