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第44回オープンレクチャー
人とモノの力学
 
2010年10月15日(金)・ 16(土)
いずれも午後1時30分~午後4時30分
東京文化財研究所・地階セミナー室
受講無料・要申し込み
■終了しました■
 
東京文化財研究所企画情報部では、毎年秋に研究成果を一般に公開するための講座を開いています。
今年も下記の通り、2日連続で4人の講師による講演会を行います。

■2010年10月15日(金)午後1時30分~午後4時30分 於 東京文化財研究所・地階セミナー室
中世における真宗祖師先徳彫像の制作をめぐって
津田 徹英 (企画情報部文化財アーカイブズ研究室長)
草花の美 ─ 都久夫須麻神社社殿の空間 ─
須賀 みほ (岡山大学准教授)
等身であらわされた中世における真宗祖師先徳の彫像を、現存作例を中心に眺めるとき、東国門徒の造像が専らであり、逆に京都においては遺例が限定されるという“東高西低”の様相が窺える。ただし、それは真宗門徒に限られる傾向ではなさそうである。そのことに留意しつつ、“東高西低”の理由を探り、中世真宗の本格的祖師先徳彫像の掉尾を飾る京都・佛光寺了源像が京洛に出現したことの意義と衝撃について明らかにしてみたい。 国宝都久夫須麻神社社殿は、天井を埋める草花、壁面に拡がる木立のつくり出す内部空間を華やかな浮き彫りの戸壁が包み込む、まさに琵琶湖の中ほど竹生島に据えられた宝の小箱のような建造物である。ここではこの度詳細な調査ならびに撮影記録の機会を得たこの社殿につき、精細な画像資料を用いてその造形美を紹介するとともに、襖絵の空間構成について、絵巻等小画面の画面形式との関連を含め、あらためて考えてみたい。

■2010年10月16日(土)午後1時30分~午後4時30分 於 東京文化財研究所・地階セミナー室
御歌所の歌人と書
髙橋 利郎 (成田山書道美術館学芸員)
秋元洒汀と明治の日本画
塩谷 純 (企画情報部文化形成研究室長)
明治21年、宮内省に御歌所が開設された。ここに集まった歌人たちは、和歌のみならず書の重要な担い手でもあった。平安文学とともに平安古筆を尊重する姿勢は、近代天皇制を背景に醸成された面も大きい。近代文学史の上で重視されることは少ないが、宮廷文化の再生産と啓蒙という点で彼らは重要な役割を果たした。和歌、書、教育、さらには茶の湯など様々な場面で活躍した彼らの活動の意味を、特に書に注目しながら考えてみたい。

明治期の日本画をリードした菱田春草の《落葉》や《黒き猫》は、近代日本美術の名作として親しまれている。しかしパトロンとして晩年の春草を支え、それらの作品を所蔵していた秋元洒汀という人物を知る人は少ないのではないだろうか。流山の醸造家だった洒汀は当時の文学界・美術界に通じ、寺崎廣業や横山大観ら新進日本画家の作品を収集した。洒汀の営みを通じて、明治期文芸の支援者の姿を浮かび上がらせることにしたい。


受講方法
受講には事前の申し込みが必要です。往復はがきに「オープンレクチャー参加申し込み」と明記の上、参加希望日、氏名、住所、電話番号を記入して下記宛にお申し込みください。 申し込みはファックスでも受け付けます。返信のためのファックス番号を必ず書き添えてお申し込みください。
申し込み用紙はこちらからダウンロードできます。(pdf/181KB)

定員:各日80名(申し込み先着順)
受講料:無料
(終了しました)

申し込み・問合せ先
東京文化財研究所企画情報部
〒110-8713 東京都台東区上野公園13-43
電話03-3823-4829 ファックス03-3823-2371
黒田記念館特別公開
2010年11月3日(水)~11月7日(日)午前9時30分〜午後5時
黒田記念館は、上野の山文化ゾーンフェスティバルにあわせて11月3日(水)から11月7日(日)まで毎日午前9時30分から午後5時まで特別公開します。 また通常の公開は、9月4日(土)より毎週木曜日および土曜日の午後1時から4時までです。入場は無料です。
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