黒田清輝の画業および日本の美術制度への貢献に大きな影響を与えた、彼のフランス留学、とりわけパリ近郊の芸術家村、グレー=シュル=ロワンでの芸術体験とはどのようなものであったか。絵画に描かれた場所とそこに住んだ英国の作曲家ディーリアスの資料など、フィールド・ワークと周辺領域の渉猟を通して、画家の足跡を辿った研究方法を紹介する。