文化財情報資料部 >過去のオープンレクチャー >第31回美術部・情報資料部公開学術講座
第31回美術部・情報資料部公開学術講座

1997年10月22日(水)
会場 東京都美術館講堂
入場者数 233名

岡倉天心と中国の仏像
岡田 健
岡倉天心(1862~1913)の1893(明治26)年7月から4ヶ月に及ぶ中国旅行は、日本美術史の研究者として、初めて中国美術調査を目的とした旅行でした。天心が紹介した中国の仏像によって、日本人は中国に日本の仏像の源流があることを知りました。天心はその後半生において、ボストン美術館の中国美術の責任者として、大量の中国の仏像をアメリカにもたらしました。天心が中国仏像の日本・アメリカへの紹介を通して果たした役割について考えます。


新発見の運慶様の不動明王立像
松島 健
長野県諏訪市の仏法紹隆寺には、仏師運慶の作である静岡・願成就院や神奈川・浄楽寺の不動明王に似た作風を持つ木造不動明王像が所蔵されています。仏法紹隆寺は、信濃国の一宮の諏訪大社と密接なかかわりのある寺院で、その諏訪大社の大祝職であった諏訪盛重が運慶一門を重用した執権北条氏の有力な被官であることを念頭におきつつ、X線調査によって確認された像内納入品の存在などから、本像の運慶一門による像造立を推定します。

page top
東京文化財研究所