《ゲルニカ》のオデュッセイア―20世紀のイコン―
林 道郎(はやし みちお)
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美術史における受容論的方法はここ10年ほどの間に端緒についたばかりである。これまでの日本におけるその展開の中では、海外の作品や作家あるいは動向が日本においてどのように受け入れられたかということに焦点をあてた研究が主流をなしてきた。本発表では、視点を日本という足場に固定するのではなく、ピカソの《ゲルニカ》(1937)という一作品の側に置き、その移動にともなって作品が複数の異なる社会的・文化的コンテクストの中で被ってきた意味、機能の変容を考察する。 |