【加害対象物】
紙資料
【被害の状態】
食害、糞汚染
【加害するステージ】
全ステージ(無変態昆虫)
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【分布】
日本全国、ヨーロッパ、東南アジア、中央アメリカ
【形態的特徴】
体型:細長い
色: 白~乳白色(外骨格が半透明)
特徴:翅がない
触角、3本の尾毛が長い
【生態・加害の特徴】
無変態昆虫で幼虫から成虫までほとんど形態的な変化がない。物陰を好み、明るい場所では隅を好む。メスしか見つかってきておらず繁殖力が強い。紙資料の表面を食害し表面の紙に穴を空ける。段ボールの中がとてもいい住処になる。
【予防と管理上の注意点】
一度増えてしまったらなかなか減らすことができない。
極力段ボールでの保管をやめ、スチール製やプラスチック製のものに資料を移し替える。段ボールを使用する場合にも床置きはやめて、棚などで一段高いところに置くようにする。
【対処】
文化財の資料自体に留まることがないため、小規模な燻蒸はあまり意味がない。大規模燻蒸を行う事で全館的な駆除は可能。もしくは徹底的な温湿度管理と除塵清掃に加え、毒餌(ベイト剤)やピレスロイド系薬剤を併用することで徐々に減らしていく。
【東文研登録遺伝子】
BOLD SYSTEM:
GBMNE89871-22
GBMNE89872-22
GBMNE89873-22
GBMNE89874-22
【参考資料】
関連論文:
・ | New records of Ctenolepisma calvum (Ritter, 1910) (Zygentoma, Lepismatidae) from Japan. |
Megumi Shimada, Hiroki Watanabe, Yukio Komine, Rika Kigawa, Yoshinori Sato. Biodiversity Data Jornal. |
DOI: 10.3897/BDJ.10.e90799 (2022) |
・ | マダラシミおよびニュウハクシミに対するベイト剤の殺虫効果 |
小野寺裕子・島田潤・渡辺祐基・小峰幸夫・木川りか・佐藤嘉則 |
『保存科学』第62号(2023) pp.193-198 |
→ その他の論文等